2025年5月29日

0時半までに終わらせる。いま23時50分。寝覚めはあまりよくなかった、悪夢とまでは言わないが、あまりよくない夢を見ていたことは覚えている。スマホを見ると8時半くらいで、思ったよりも眠ってしまっていた。ゴンちゃんは妻の部屋、軽く挨拶し一階へ降りて簡易なコーヒーを淹れる。アップルクッキーを一枚食べて煙草吸って準備して出。ゴンちゃんはもう眠そうだがすごく体調が悪いと言うわけでもない、昨日からかなり安定して元気。店へ。9時台の街はよい、陽の光はこの2時間後よりは随分と柔らかい、人々は多く急いでいるが私だって急いでいる、やるべきことがあって行くべき場所があるのはよいことだ。10分まえに着いたらもう取材の方たちが来ていて、少し片させてもらう。ライターの方は以前別の店で取材してくださった方で、そのことは話していてお互いに思い出した。わたしはその時ウー・ウェンさんの本を薦めて、彼女はそれを買って読んでくれていた。だから仕入れる本の基準や本の何を見ているかをわりと回り道せずにそのまま話すことができた。体験を共有していると話は早い。それで勢いにのって、もしかしたら今回のメディアからすると若干硬派かもしれない本を自然と推してしまった。けれども、それはそれで良かった気がする。この場所に来てこの場所で話を聞きたいと言ってくれているのだから、この場所で推しているもののことをちゃんと話すべきだろう。話していると自分がその本を全く知らない人にどのように話すかを自分自身で体験できるからそれもいい。たとえば帯文を書いている人とか、その装丁に使われている画家とか、その出版社のことをよく知っている相手だったら、説明が要らないぶんなぜそれに私が信頼を置いているか手に取る理由になるのかを私は私と相手に向けて話す機会をなくす。何でもひとまず言語化してみようと試みるのはよくって、それに付き合ってくれる誰かがいるのもまたありがたく得難いことだ。他者も自身も、低くも高くも見積らず、持ち寄った言葉でできるだけ虚心に近づき互いにその反応を見ながら話すこと。彼女はその本を読みたいと買ってくれた。話して良かったと思う。1時間で終了、開店前の残りの時間は商品撮影、それからオープン。小幡さんのリトルプレスを買いに来てくれた女性に来月展示しますよとお伝え。斉藤さんが来るまえに弁当を食べてしまう。斉藤さん来てお茶を出す。木曜日は一週間でもいちばん人の入りが少ない日。ゆったりまったり、しかし山積した仕事をできるだけこなす。斉藤さんに片岡義男の絵について尋ねる。夕方、素潜りさんが来る。斉藤さんは帰る。昨日の林さんのツイートについて素潜りさんと話して、そこからこないだの林さんと細澤さんのトークイベントのこと、江代充と貞久秀紀とたかすかまさゆきのこと、クレー展から林さんの写真について大日向さんが言っていたらしいこと(曰く「林さんの写真はシンボルになることをぎりぎりで回避している」)に戻り、機能主義や構成主義に接近しながらシンボルになりえない(から素晴らしいと私が勝手に思っている)クレーの表現のことなど話したり聞いたりする。それはもしかしたら詩とコピーライティングの違いに近いのかもしれないと言うのは今日話していて気がついたこと。素潜りさんの最近の関心、清水アリカ、ケルアック、中原昌也のことなども新鮮に興味深く聞く。今日は映画の話はしなかったな。閉店後は週末に出品できることになったZINEイベントのためのリストアップ。21時半に出。餃子、肉じゃが、ネギとズッキーニの素焼き、ブロッコリーと卵のサラダなど食べて、ゴンちゃんが二日ぶりに膝に乗ってきていま0時27分。一日の終わり。

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