ABOUT

 余波舎 / NAGORO BOOKS は、2024年にスタートした新しい本屋です。

余波舎 / NAGORO BOOKS は、新本と古本をあつかい、新しいものと古いもの、見えるものと見えないもの、ここにあるものとここにないもの、生きている者と死んでいない者へと、〈本〉と〈店〉というメディアを通して思いをめぐらせるための試みです。

余波舎 / NAGORO BOOKS は、文芸、音楽、映画、アート、建築、デザイン、哲学・人類学・民俗学・社会学やサイエンスその他の人文学、サブカルチャー、料理や手仕事、旅、そのほかジャンルを問わず様々な本を扱い、その歴史と現在に、店舗やこのウェブサイトを通し、訪れる人々や読者がアクセスすることをサポートします。

2023年12月 実店舗が京都の西陣にてプレオープン。

2024年1月12日 本オープン。

2024年11月 オンラインショップがオープン。

 

店名について

「余波」は、風が吹いて立った波が、風が止んだ後もまだ波打っている状態、残っている波そのものを意味します。転じて、ある出来事が起こった後に周囲に及ぼす影響や、出来事が過ぎ去ったあとに残る気持ちを指してもこの言葉はもちいられます。

ある時ある場所で、誰かによって書かれた言葉が、別の誰かによって読まれるまでの時間的な遅れ、空間的なズレ。読まれた言葉が、感情の襞や記憶の渦にまぎれ、降り積もり、いつしか馴染み、ある生の瞬間に浮上するまでのタイムラグ。

すでに過ぎ去った遠くの出来事や記憶、生まれた感情が、本を媒介しそれを読むという行為を通して、いまここにいる私たちに影響する。特定の人や場所はやがて終わりを迎え、それによって立つ波もゆっくりと消えてなくなるけれど、「出来事が起こり、波が立つ」という現象そのものは私たちの前からずっとあり、私たちがいなくなったあともなくなることはありません。

人や本が媒介となって受け渡される感情や言葉なのか、感情や言葉が媒介となって人や本が受け渡されているのか。
その時間的/空間的なズレのなかをたまさか漂った感情や記憶、認識や感覚、それらを包み込むメディアとしての人や本らを思い、私たちはこの場所を「余波舎 / NAGORO BOOKS」と名付けました。