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生きることと切り離せずある「食べる」ということ。必要にせまられて日々何かを口にしそれを体内エネルギーに変え生きる私たちは、いったい「料理する」「食べる」という行為をどれほど味わい、楽しめているだろう。どれだけレシピや料理の技術を覚えても、楽しめなければ料理は続かない。楽しんで料理に向かうため、本書が方針とするのは「風味の魅力」にみちびかれること。風味とは、遠くの地に受け継がれる文化や過去の記憶をいまここにありありと経験させるもの。素材のゆらぎや個性に向き合い、それにどんな手を加えることで引き出したい風味に出会うことができるのか。調理の変化はどんな風味の変化を生みだすのか。生理学や心理学、著者の専門でもある映画や文学、哲学などの芸術的知見を大いに交えながら、「料理」というあらゆる文化と記憶の流れ込む営為を肯定するための26章。素材とイメージ、グラデーションと編集、手を動かすこと、そして変化を恐れず楽しむこと。料理だけでなくあらゆる創作に通ずる論の射程そのものが、私たちと料理の切り離せなさを逆説的に物語ります。料理本のあたらしい名著。