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京都市左京区の古物商「itou」の店景と店主・伊藤槙吾さんのテキストからなる空間と配置、物と什器、そして店をめぐる作品集。毎月、什器と物の配置を入れ替え、常に店の風景を作りかえていくことで見出されてきた「空間」とそれを構成する要素としての「物」。一点モノを扱うこと、店であること、流動的で他者の手による制限をともなうこと。意識と無意識が交差する場におけるひとまずの「完成」を目ざして、レイアウトやコンポジションを探究する日々からうまれた、抽象的な空間に向かうための具体的な哲学。2024年刊行の『喫茶店の水』がひろく読まれた画家・qpが、2020年より断続的に撮影してきた「itou」の店内空間の写真とともに、店主のクリエイティビティの種と芽に触れるような十数編の小文をおさめます。スクエアのブックデザインやページ表裏のイメージが重なるレイアウトは店主のグリッドへの関心を反映し、一冊ごとにページ順が異なるランダムなページネーションを採用した編集は、日々移り変わりながら不思議に統一感を維持する「itou」のディスプレイを思わせます。モノにそなわる個別具体性と記号性を行き来し、ときにそれらを重ね見ながら、変わり続ける変わらない空間と風景を創造する。あらゆる創作や店づくりに通ずる実践と実験の新しい記録集。