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「流動する社会の中で身体を持ち生きる私たち人間と、人間が生きるための店と環境との相互作用は、日々の生活においていかに生成され、どのように立ちあらわれるのか」
グローバル資本主義経済が覆っていく世界において、その末端でいずれ「滅びゆくもの」とされてきた”店”と”まち”。しかし本当にそうだろうか?
複数の場所で生じた現象と経験を分析する”マルチサイテッド・エスノグラフィ”、〈私〉の個人的経験と自己省察からなる”オート・エスノグラフィ”という二つの手法で、京都の「出町」エリア半径2kmをフィールドワークし、〈もの〉の交換を通じて発生する社会関係や、自律的・共同体的な関係性から成り立つ「店」と店を取り巻く商世界の様相を描きだした『京都出町のエスノグラフィ ミセノマの商世界』。
札幌国際芸術祭やアーツ前橋などのプロジェクトに携わり、長年アートの現場にキュレーター/ディレクターとして関わってきた有馬恵子さんが、立命館大学で学んだ社会学・人類学の手法を通して出町エリアを眼差し、歩き、変化し続けるまちと店に潜在するアート(技巧)と響き合うポリフォニー(多声)を拾い上げた大著。店や街に関わるあらゆる場の実践者にとってもヒントと気づきをもたらすであろう一冊。
「社会的・文化的営みの中で店は、地域に必要とされる職人的といえる技芸や生産活動を生みだしていることについては、それほど着目されていない。また小規模店舗は、家族経営で職住一体型の前近代的な形態であることが問題視され、いずれ滅びると指摘されてきた。ところが近年では、日本を含む先進国において真剣に追求する職業として、若者らがふたたび小規模自営業・小売業を目指すようになっている。だが店がどのように・いかにして私的なたまり場でかつ社会的なインフラストラクチャにもなりうるのか、といった疑問に対しては、ほとんど明らかにされていないのである。」
「これまで小規模自営業・小売業は、流通や経済という視点から、非効率性や非生産性といったモノフォニック(単声的)な視点で切り取られることもあった。だがそうした「店」は、通りやまちを使いこなしながら、「社会」の変化に自らを適合させ、時に抵抗しながら生き延びている。本書では、店やものを介して生みだされる〈アート〉に注目することで、多種多様な生の営みがまちへ滲みでることで人の円環を生みだし、固有の「ミセノマ」を生成するといった様相を描きだしていく。」(本書プロローグ「響きあう声」より)
著者 |
有馬恵子 |
発行 |
青土社 |
その他 |
B5変形 / 453ページ / ハードカバー |
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