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【古本 / secondhand book】無盡蔵

【古本 / secondhand book】無盡蔵

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「味は部分で感じは全体。
味をいう人は、見方はこまやかでも、どこか品物に捕らわれている。感じで見る人は、離れて自身の角度でぶっつかっている。
作るほうからいっても、味はねらって大抵ゆけるが、本当の感じはねらいでは出ない。いわば持ち味で、作家がねらった所とはむしろ別途に、しかしさらに公平に、匂うだけは匂っているように思う。作り手は多くの場合、ねらいで出発しているために、ねらった予期に近い結果を喜び、遠い結果を悲しむが、もっと本領はそのほかに匂っていて、実は作家自身で気にする程の優劣はなく、素直な感じで見る人からは大して違いもなかろう。」

「たとえば、地上には樹木の形と花のように咲いたものがあるんですけども、実際は、その地下に根があって、見えないところの根が自分を呼んでいるんだと、そこまで落ち着いて見直す。枝や花で勝負するより、根で勝負してほしい。また花の結果を実を結んだ時と思わず、その実が地へ沈んで来春芽を出した時を答えとして受け取りたいのです。」


柳宗悦や河井寛次郎、バーナード・リーチらとともに民芸運動の中心的な役割を担い、益子焼の中興の祖でもある陶芸家・濱田庄司が、雑誌「民藝」や「工藝」、「陶説」や新聞、書籍に寄せた文を集成した随筆集『無盡蔵』。益子や京都、沖縄で実際に「目と手」をもちい創作に打ち込むなかで育まれてきたものづくりの感覚、柳や河井、志賀直哉らとともに周遊してきた海外の窯元での見聞や、朝鮮や沖縄の陶器について、そして河井や棟方志功、芹沢銈介、リーチ、富本憲吉らとの交流やその人となりと作風について書いたテキストなどを収めます。陶芸の道のみならず、料理や洋裁、アート制作など、目と手を動かしモノと向き合うあらゆる創作に通ずるような心得が、読みくだしやすい語り口で語られ、同時に民芸運動に関わった登場人物たちとの深い友情が彼に齎したものの大きさも窺い知れる名著。
函入の単行本の題字は棟方志功。昭和49年(1974年)初版。こちらは昭和50年の第二版となります。

状態:カバーに一部汚れ、背や外函に燻みあり。最後のページにスリップ剥がし跡あり。古書としては標準的な状態です。

著者 濱田庄司
発行    朝日新聞社
その他 160mm × 224mm / 344P / クロス装・函入り 

 

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